「 この大空に 翼をひろげ 飛んで行きたいよ 」
私が、この歌を歌ってもいいのだろうか。
未来もない私が、未来に飛ぶ歌を歌っても。
「 もう、長くないです。 」
目の前が真っ暗になった気がした。
なんて小説では言うのかも知れない。
だけど、実際そんなことなくて、ただ、クエスチョンマークが浮かぶだけだった。
私は、理解が出来なかった。
余命半年。
なんて言われても、見える景色はやっぱり同じで、
感じる風も、光も、全部全部変わらなくて。
実感が湧かなかった。
中学三年生、受験が待ち構える年齢。
あんなに焦っていたのに、急に焦らせていたものが消えて、なんとも言えない気持ちになった。
死んでしまえば、大空に飛んでいけるのかな
なんて、無理に決まっているけれど、夢を見なければやって行けなかった。
#大空 #3
12/22/2024, 1:28:19 AM