買い物帰りに、私はある店の前で立ち止まった。そこは現実世界の雰囲気とはかけ離れた、ファンシーな外装のお店だった。私はその雰囲気に惹かれて店の中に入った。ショーケースにはカラフルなお菓子が並べられており、それらはまるで宝石や星のカケラのように輝いていた。幻想的なものをボトルに詰め込んだようなそれらを私は夢中で眺めていた。
その中でも私の目についたのは、淡い桃色のキャンディが入ったボトルだった。それを手に取って付いていたタグを読むと、
[甘酸っぱい恋の味]
と書かれていた。どんな味なんだろう、と興味を持った私は様々な想像をした。思いを寄せる人に片想いした時の気持ちなのか、あるいは無事に恋が実って愛し合っている時の幸せな気持ちなのか…。夢見がちなのは分かってはいるが、こういうものにトキメキを覚えやすい私は確かめたくてそれを買って帰った。
テーマ「カラフル」
5/1/2024, 11:10:27 AM