行灯

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お久しぶりです。本日は、お題を無視しての投稿になります。申し訳ありません。
とある書きかけのシナリオの冒頭を。必ず書ききるという意志の元、こちらにあげさせていただきます。






君の答えは、言葉を選ばないのなら、どうでも良いのだ。
私は人に何かを問えるほど、高い椅子に座ってはいない。どころか、自分だって答えあぐねているのだ。どうして正解を知ったような顔で、微笑めようというのか。
だから、回答なんてしなくていい。

ただ、ほんの少しだけ。想いを巡らせて欲しかった。
君が見ているつもりで見ていない何か。
君が誰にも見せてもらえなかった何か。

疲れるだろう。面倒くさいだろう。
そうして深く、傷付くかもしれない。

私は君を、どうしようもないほどに傷付けるかもしれない。

それでも、透いた濁った、紛れもない君の頭で、想像して欲しかった。充分にあり得る『かもしれない』噺を、一つ、君に届けたかった。

見下げればきっと容易く、想い描ける筈だ。
それは君が、気付きたくなかったと嘯く君が、端から全て、知っていたから。


責めるわけでは決してない。そんなことはできやしない。

だがどうか、どうか君が少しばかり、弱く在ってくれと。私は願って止まないのだ。


……斯くあれと、焦がれども。

11/16/2023, 4:38:12 AM