ボクはハル。
この家で1番賢い犬だ。
そんな僕が好きな時間を教えてあげる。
もう外は暗くてみんなが家にいる時間。
すると女の人の声が聞こえる。
「ねぇルカ。ちゃんと薬は飲んだ?」
心配そうに声かける彼女はルカのママ。
ママはいつもお散歩に連れてってくれるから好きだ。
「うん飲んだよ!」
まだ寝たくないと言うように元気に声出す子供はルカ。
ルカはいつも僕と遊んでくれるから好きだ。
「そう、じゃあおやすみルカ。」
そんなルカから離れるママを逃がさないように
ルカはすかさず
「まだ眠くないよ!絵本読んでママ!!」って言って
ママを引き止める。
「しょうがないな〜1冊だけよ」
そう言うママの顔を知ってる?
とっても嬉しそうな顔をするんだ。
ママもルカも笑顔のこの空間が好きだ。
ルカは「ハル!」と呼んでいつものように
一緒にママの声を聞いて寝るんだ。
それが幸せなんだ!!
秘密の話もしてあげる。
ママは知らないことでも僕は知っていること。
それはルカが眠りにつく前に僕の頭を撫でる時は
寝るのが怖いこと。
ルカは知らないことでも僕は知っていること。
それはルカが眠りについた後
ママはまだ頑張っていること。
洗い物をしたり洗濯物を干したり。
沢山動いていること。
時々泣いている時もある。
パパの隣で幸せそうな顔をしていることもある。
そして僕が知ってること。
僕はパパにもママにもルカにも
愛されていること。
今日は遅いからまた明日
家族みんなと遊ぼうよ。
それじゃあおやすみ。
─────『眠りにつく前に』
11/3/2024, 12:08:53 AM