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やわらかな光が顔にじわりと当たった。私は眩しさに目を細めながらゆっくりと、頭を起こす。

ふと、隣を見ると一緒に寝ていたはずのフィアンセが消えていて、代わりに綺麗に布団が畳まれていた。私は少し首を傾げながらシーツをさらりと撫でる。まだ、人の温かみが感じられるので、つい先程までここに居たのだろうかと寝ぼけたままの頭で考える。

ゆっくりとベッドから足を降ろし、眠気を覚ますように窓の傍に寄る。安物の薄いカーテンに、手をかけようとした時、違和感に気づく。

左の薬指に、きらりと輝る銀色の指輪が嵌っていた。私は昨日指輪を付けたまま寝た覚えは無いので、誰が私の指に嵌めたのかは明白だった。

それに、左手の薬指。私はこれが、どういうことを意味するのか知らないような子供では無い。

朝の太陽に向けて左手を翳してみた。指輪に光が当たるたび、きらきらと銀色の光を輝かせている。私が見てきたアクセサリーの中で、一番魅力的なものだった。

今日からきっと、慌ただしくなるだろう。だけどそれさえも、想像するだけで気力が湧いてくる。

今、リヴィングで寛いでいるであろう彼に、何を言おう。私は彼が愛しくて堪らなくなった

5/22/2025, 2:31:28 PM