【君と一緒に】※フラアサ
大体1000年前くらいのことだろうか。
世界が滅亡する、なんて根も葉もない噂が欧州の一部に広がった。それを真に受けた幼いフランシスは己のしてきた数々の醜行を思い出しては、自分は間違いなく地獄行きだと悟った。
だからせめて、ずっと欲しかったものでも抱えて最後を迎えてやろうとした。
結局何も起こらずに時は過ぎ、また1000年を刻んだ。
「懐かしいねえ。世界が滅亡する、だって」
「どこの国でもあるもんなんだなあ。全くそんなもの冷静に考えりゃわかるはずもないんだ」
フランシスのとこのノストラダムスの大予言だかが、今本田の家で相当な話題になっているらしい。本田が話していたことに、昔の自分達を思い出した。
フランシスとアーサーはずっとずっと前に同じような噂に翻弄された。アーサーはフランシスに後ろから抱き抱えられるようにして、最後の時を待った。
「ねえ、例えば本当に明日地球が滅亡するなんて言われたらどうする?お前は」
アーサーに視線を向けることもせずフランシスは問う。
「......そうだなあ、もうお前と心中はしたくねえな」
「俺も。どうかしてたわ、あの時は」
【未完】
1/6/2024, 12:54:50 PM