「I lavu yuu」
ピンク色のチョコペンで拙く書かれた文字。
しかも、袋に包まれて半分消えかかっている。
土台であるチョコレートも、数メートル離れてやっと、
辛うじてハートの形をなしているように見える程度。
こんな言い方はおかしいかもしれないが、
ここまで美しくないバレンタインチョコレートを作れるのはもはや才能のように思う。
しかし、私からそんなものを受け取った当の本人である彼女は、目を細めてクスッと笑った。
かわいいね。
彼女の言葉に、私は目を丸くして顔を赤らめる。
が、頑張って作った。とだけ掠れ声で私はぼそっと答える。
嘘。
本当は書けるけれど。
スイーツ作りだって得意分野だ。
でも、だめな私を見つめるその目が好きで、私は今日もだめになってしまう。
「I love」2025.6.12
※創作
6/12/2025, 2:21:34 PM