【君と歩いた道】
やあ、元気かい?
もうすぐ梅雨入りだね
僕は結構雨は好きなんだ。
音で全てをかき消して、水で全部流れていって
何もかも無くしてくれるような、
そんな気がするから。
低気圧とか湿気とかで具合悪くなるのが難点だけど
全てを消し去る代償なら
それもいいと思ってしまう。
さて、語るのはこの辺にして
今日も聞いてくれるかい?
私は寂しいのだろうか。
何もかも持っているはずなのに
いつも何かを探しているのは
みんなと一緒いるはずなのに
どこか孤独に感じているのは
まだ明るい昼のはずなのに
暗い夜に残されたみたいに寂しくなるのは
どうして?
確かに、手の中にあったもの。
それが無いことに気づくのは
どれだけ不安なのか
僕は知っているはずだ。
それなのに何もかも無くしてしまった僕は
本当に解っているのか?
誰かと一緒に歩む道、競う道
全てあって当たり前では無いこと、
どれだけ大切なものなのか
僕は本当に解っているのか?
教えてくれよ、
一緒に歩むってどういうことなのか
信じるってどうやるのか
分からないよ、
一人で歩むことを望んだはずなのに
信じられなかった誰かと歩んだ道を
忘れられずにいることが。
滅多に自分を話さないのに
知ろうと頑張ってくれるのが
知りたいけど知ろうとしないのに
感じ取って教えてくれるのが
ふとした闇を見かけたのに
何事もなく接してくれるのが
心から、嬉しい。
君たちを信じたい。
でも信頼は切れるものなのだと
人は生まれながらに悪なのだと、
思ってしまうから
信じる者は自分だけなのに
自分が大嫌いな僕は
一緒に歩む価値はないだろう
知ってるんだよ
人は独りでは生きられないこと
でも傷つけることしか出来ないんだ
信じたいんだよ
独りでは寂しいことなんて
とっくの昔に知ってるよ。
本当にごめんね。
よく友が僕に優しいと言う
傷の痛みを知っているものは優しいらしいが
僕は傷つけられ育った人間じゃない。
傷つけて育った人間だ。
切れる信頼関係しか知らない。
誰かを傷つけてしまう自分が大嫌い。
傷つけた誰かが離れていくのが怖いだけだ。
こんな優しさあっても仕方ない
また誰かを傷つける前に
雨にでも打たれて溶けてしまえば
地面は固まって、
次、歩む誰かが安全だろう
私は寂しいのだろうか。
……僕は寂しいんだね
聞いてくれてありがとう。
少し長くなってしまったね
最後までありがとう。
お題とは離れてしまったが
まぁいつものことだろう。
君も無理はしないように
僕が言うと説得力が無いかもしれないが。
全部 梅雨のせいにでもしといてくれ。
また次も聞いてくれるかな?
6/8/2025, 12:25:28 PM