Frieden

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「日差し」

今回も番外編だよ!!!続きが決まっていないわけではないのだが!!!話を進めるには難しいテーマが続いているからこうなっているのだよ!!!申し訳ない!!!

それはともかく、楽しんでいただけると嬉しいよ!!!

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「前回までのあらすじ」─────────────

ボクこと公認宇宙管理士:コードネーム「マッドサイエンティスト」はある日、自分の管轄下の宇宙が不自然に縮小している事を発見する!!!

そこで、急遽助手であるニンゲンくんの協力を得て、原因を探ることにした!!!お菓子を食べたりお花を見たりしながら、楽しく研究していたワケだ!!!

調査の結果、本来であればアーカイブとして専用の部署内に格納されているはずの旧型宇宙管理士が、その身に宇宙を吸収していることが判明した!!!

聞けば、宇宙管理に便利だと思って作った特殊空間内に何故かいた、構造色の髪を持つ少年に会いたくて宇宙ごと自分のものにしたくてそんな事をしたというじゃないか!!!

それを受けて、直感的に少年を保護・隔離した上で旧型管理士を「眠らせる」ことにした!!!悪気の有無はともかく、これ以上の被害を出さないためにもそうせざるを得なかったワケだ!!!

……と、一旦この事件が落ち着いたから、ボクはアーカイブを管理する部署に行って状況を確認することにした!!!

すると、驚くべきことに!!!ボクが旧型管理士を盗み出したことになっていることが発覚!!!さらに!!!アーカイブ化されたボクのきょうだいまでいなくなっていることがわかった!!!

ボクも色々と探しはしたものの、きょうだいはなかなか見つからない!!!そんなある日、ボクのきょうだいが発見されたと事件を捜査している部署から連絡が入った!!!

というわけで、ボクはその場所へと向かうが……。

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今日は晴れ。梅雨の時期だというのに珍しいな。
湿気と高い気温で茹だるようだ。
せっかくの天気だが、室内じゃないと洗濯物は乾かないか。

「おはようニンゲンくん!!!今日はいい天気だね!!!こういうときは散歩に行くと気持ちいいだろうねえ!!!」
暑いから嫌だ。

「そう遠慮せず!!!朝ごはんを持って公園にピクニックでも行こうじゃないか!!!準備はもうできているよ!!!」
「さあ、出発だ!!!」

「いやぁ、夏らしくなってきたねぇ!!!」
あんたは夏はじめてだろ。
「細かいことはいいのだよ!!!」

「おや!!!アレは朝顔かい?!!まだつぼみをつけてもいないようだ!!!花を見るのが楽しみだね!!!どんな色の花が咲くのだろうか?!!」

そろそろ公園に着くぞ。この前みたいに高いとこ登って頭打つなよ?
「心配無用!!!」

朝の公園には誰もいない。
砂場も遊具も独り占めできる……なんてな。

「さて!!!レジャーシートを広げようか!!!」
ちょっと待て!それ広げなくてもベンチで食べたらいいんじゃないか?

……自分にしかあんたは見えないから、周りから見たらひとりでレジャーシートを広げてる変なやつだと思われそうで恥ずかしいんだ。

「あ、たしかにそうだね!キミのことも考えて、ベンチで食べようか!」

「ニンゲンくん、お味はどうだい???昨日たくさんご飯を炊いたから残りでおにぎりを作ったのさ!!!いろんなものを具にしてみたよ!!!」

ん、これは……ほうれん草のおひたし……?
「よく分かったね!!!悪くないだろう?!!」
まあ、おいしいけど……なんか違うような気がする。

「おや、そうかい???それならこっちはどうだろうか???」
そう言って自称マッドサイエンティストは別のおにぎりを渡してきた。

こっちは……唐揚げ?!
「ご名答!!!美味しいだろう?!!」
たしかにご飯と一緒に食べるけど……やっぱ違うような。

「もー!!!どれだったらキミは喜ぶんだい?!!」
餅みたいにほっぺたを膨らませながらまたおにぎりを渡される。
ついでにほっぺたをつついてみる。「むー!!!」

どれどれ……これは……梅干しだ。
「どーせまた文句を言うんでしょー?」
いや、自分が食べたかったのはこれだよ。

「!!!」
おにぎりといえば梅干しだからな。
「やっとご満悦のようだね!!!こっちも食べるといい!!!」

美味い……けどそろそろ腹がいっぱいだ。

「それじゃあ残りは全部貰っちゃうよー!!!」
なんて言って残りのおにぎりを食べる。
……どんな胃してるんだ……?

「いやぁ、それにしてもいい日差しだねえ!!!」
「ボクは春のうららかな陽の光も好きだが、夏の眩しい日差しも好きだよ!!!明るいのっていいよね!!!」

そうか?これから更に暑くなるぞ?
「ボクは平気さ!!!ただキミは熱中症に注意したまえよ!!!ニンゲンは暑さに弱いからね!!!」

自分はこいつの話をよそに、木漏れ日を見つめながら満腹で寝そうになるのをこらえていた。

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夏の日差しは美しいね。ニンゲンくんの言う通り、少々蒸し暑さはあるが、ボクらだったら十分快適に過ごせるはずだ。
ね、ボクのきょうだい?

……キミと一緒におにぎりを食べて、陽の光を浴びて、楽しく過ごしたかったなぁ。

また会えたら、どれだけ幸せか。

7/3/2024, 9:57:27 AM