牧原 牧夫

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よう、神様。

なんだ、とこちらを一切見ることなく下界を見つめたまま不愛想な返事が返ってくる。

いや、特に用がある訳じゃない。

そう言いそうになってやめた、そう言うと間違いなくならばすぐ消えろと言われるのが目に見えている。
残念ながらこの神様はそんなにフレンドリーじゃない。
なにか共通の話題を探して神様が見ている景色を後ろから覗く。
ガラス玉のような丸いものの表面に色々な景色が目まぐるしく変わっていく。
時々そのひとつを思わしげに手を止めて拡大したり角度を変えたりして見つめている。

用事は無いのか

不意に神様から発された言葉に思わず焦る。
このままだと帰宅を促されるので次の言葉が出るまえにもし言葉が来ても上書きできるような声量で発した。


天気の話なんてどうだっていいんだ、私が話したいのは

5/31/2023, 11:34:29 PM