"ススキ"
スーパーからの帰り道、途中の野原に生えているススキが視界に入ってきて、目を向ける。綺麗な夕焼けに照らされ揺らめくススキが優雅で美しい。が、ふと思い出す。
「確かそろそろだな…」
悲しげな声色で思った事を口に出す。
以前、気になってススキについて調べた事がある。ススキの見た目は草に見えて、それまで花という認識が無かったので驚いたが、ススキの先についている《穂》という部分は、花が集まったものらしい。見頃は確か、十月から十一月半ば。もうそろそろ、枯れる時期だ。
心做しか、揺らめく様が儚げにも見えてきた。
「……」
ありがとう。また来年。
ススキに向かって、心の中で呟く。足を前へ一歩、また一歩と動かし、帰路に着いた。
11/10/2023, 1:43:03 PM