メンタリストダイ子

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街道を満ち足りた顔で歩く女の靴紐が、片方解けていた。ここは沈黙を決め込み、女の行く末を陰ながら案じるのが、真っ当な善意というものだろう。
いや、なにも私は、ミソジニーを拗らせている訳でも、満ち足りぬことに関して劣等感を抱いている訳でもない。
只、この先の道程に於いて──例え一つでも──世界を滅ぼしかねない虚弱な因子が生まれることに、少なからず期待しているだけだ。

9/17/2025, 12:05:26 PM