春風とともに
毎年思い出す、初めて付き合った彼の言葉
私は4月生まれ
夜ごはんを御馳走になった誕生日の夜
帰り道の公園で少し待っててと言い残し彼は何処かへ
トイレにでも行ったかな
少し肌寒い空気の中ベンチに座って一人待つ
少し終わりかけの桜が、それでもまだ綺麗に咲いていた
少しして彼が戻ってきた
その手には何と誕生日ケーキが
驚いてると
ここで食べよう、とお皿とフォークを準備する
二人で夜の公園でケーキを食べていると
強めの風が吹いて桜の花弁が沢山舞い散った
それを見ながら彼が言った一言
「桜の綺麗な季節に生まれて良かったな」
「この季節に生んでくれたお母さんに感謝やな」
ボンヤリと光る街灯
薄く発光するような桜の樹
風に舞う桜の花びら
夜の公園で食べる誕生日ケーキ
初めての彼と
印象的な言葉
こんな少女漫画みたいなこと本当にあるんだと思った
ドキドキ、甘い
私のアオハルな思い出
『春風とともに』
3/30/2025, 5:40:45 PM