そこには誰もいなかった。あるのは規則正しく並べられた机と椅子、そして教卓。夕日に照らされオレンジ色に染まる教室、数時間前までは人で賑わっていたはずの場所はもう空になっている。みんな、卒業していった。桜舞い散る日、笑顔と涙をくっつけて、旅立っていった。「先生、ありがとうございました」「どうかお元気で」もう会うこともない、君の声が聞こえる。振り返っても、当然誰もいない。2025/02/15君の声がする
2/15/2025, 10:12:28 AM