「わしだけが知ってるんじゃ」
僕の目の前に現れた狐耳で和装の少女がニヒッという効果音がつきそうな顔で僕にそう言った
「じゃあ教えてくれたっていいじゃないですか」
僕が困った顔でそう言うと彼女はいじめっ子みたいな顔して
「言ってしまったらつまらんじゃろ?」
なんて言うから
「どうせつまらない人間なんでいいんですよ」
と言い返してやる
そうすると彼女は急に真面目な顔で、でも優しい顔でまっすぐ僕のことを見つめながら
「そうかそうか、でもわしと出会ったのはつまらん事じゃったのかのう?」
なんてわざとらしく聞いてくる
…それを言われると何も言い返せないの知ってるくせに
僕は必死に余裕な顔を作ってこういった
「…まぁ、そんなことも無くはないですけどね」
彼女はまたいじめっ子の顔をして笑った
お題:『神様だけが知っている』
7/4/2021, 3:42:28 PM