夜の海 雑談
「夜の海、綺麗だよね」
「うおマジでビビった」
「やったー」
「なんか用?」
「俺このあたり住んでるんだよ。知らなかった?」
「知らなかった」
「だからパトロールも兼ねてここに来たりもしてるんだ。そっちは?」
「食い過ぎで寝れなくなった」
「珍しいじゃん。いつもは満腹になることすら叶わないのに」
「消費期限?が切れたやつを死ぬほど食わせられた」
「じゃあ煙霧かな?アイツ食品ロスに厳しいもんねー」
「そうそう」
「海好き?」
「普通。貝は美味いと思う」
「普通か〜せっかく海漓って名前なんだから好きになってもいいんじゃない?」
「そう?」
「そそ。……眠れないときとかさ、たまにでいいからここに来てくれない?俺そっちに行けないことが多いし、結構寂しいんだよね」
「いいよ。暇なとき行く」
「ありがと。たまに雨降ってるときあると思うけど、その時は俺の家で話そうぜ」
「おーけー……あ、お迎え来た」
「おっ、帰る?」
「今日は帰る。またな」
「おう、またなー」
「よう」
「あ、昨日の今日で来たんだ。なんか面白いことでもあった?」
「いや?今日も普通だった」
「あれ?じゃあなんでだ?」
「昨日の話の続き。しにきた」
「マジー?嬉しいんだが」
「遠出の許可も取ってきた」
「マジ!?準備万端じゃーん。じゃあ俺ん家行ってサシで話しますか」
「おーけー。家遠い?」
「全然。3分くらい」
「じゃあ歩いていく」
「見てこれ。さっき見つけた夜の海の浜辺にいた奴。海漓にあげる」
「痛。このカニ指挟んできたんだけど」
「じゃあそいつはカニ鍋にでもするか。小さいからじゃんけんだな」
「俺が食う」
「じゃんけんだって。勝った方が食おうぜ」
「ヤバい指取れそうマジで。早く行こう」
「ウケる。取れなきゃいいね」
「いててて……」
8/15/2023, 2:13:11 PM