明嬢

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殺したいほど憎い人間がいる。
高校時代に俺のことを虐めていた奴だ。
物を隠す、机の落書き、空き教室に閉じ込められたり、濡れた汚い雑巾で口を塞がれたりと虐めというすべての行いをされてきた。
時には性的な嫌がらせを受けたこともあった。
見えない場所で見えないところにたくさんの傷を付けられた。お腹と背中は傷跡が残ったままでいる。
先生がいるところでは良い子ちゃんぶっている。
机の落書きを消そうとしたり、失くしていた物を「見つけたよ!」と一緒に探していたような雰囲気を作り出したりする。
どうして俺なのか。
他にも俺みたいに陰キャでヒョロヒョロしてる奴はいっぱいいる。
なのにどうして俺なのか。
何度も考えたが、分からないままだった。
ただ奴は「面白いから」としか言わなかった。
地獄の高校3年間を過ごした後、俺は就職した。
奴は難関の大学へと進学した。
優等生だったから、卒業式で答辞をしていた。
やっと離れられる、とそう思っていた。
7年間は安泰だった。
しかし、異動になったときに配属された所の上司が奴だった。
奴は言った。
「君は僕の玩具だ。これからも、ずっと」
ニッコリと高校時代と同じ微笑みで。

『続く苦しみ』

4/8/2024, 12:43:20 PM