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 ハードルも石ころもないところで躓いて転ぶし
 犬の尻尾を踏んで追いかけ回されるし
 水溜まりに踏み込んで泥水を浴びるし

 いいことは滅多に起きないけど
 見上げた空に虹がかかればそれでいいと思える


『明日に向かって歩く、でも』

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 自分を守ろうとするとどうしても視野が狭くなる。
 思考が堂々巡りになって偏見まみれの結論になる。

 だから外を見ようって話じゃない。
 そんな簡単に視野が広がるわけでも一般ウケする結論にも辿りつくわけでもない。

 君は今外を見る余裕がない。

 これだけ頭の片隅に置いておけばいい。

 なに、容量を増やす必要なんてない。
 データと違って人の記憶は勝手に剥がれ落ちて忘れていくものだ。

 そもそも君は今余裕がほしいのか。
 違うだろう。

 ありのままを受け入れてくれる環境がほしいのさ。

 今君の周りにいる人は君の側面ばかりを見ている。
 そんな状況で本音を言えば拒絶されるやもしれない。
 拒絶は嫌だ。
 だから言わない。

 今はそう結論づけていいさ。
 でも信頼したい、大切にしたいと人ができたなら本音もちゃんと言ってくれ。
 君がそう思えたなら間違いなく受け入れてくれるさ。

 今はまだ殻にこもる時期。
 殻を破った君が一体どんな変貌を遂げるのか。
 もしくは変わらず優しい君のままなのか。
 今から楽しみにしておくよ。


『ただひとりの君へ』

1/21/2025, 12:19:18 AM