ほう…この国にはこんなに素晴らしい物があるのか…。
本国ロンドから私はホニという小さな国に観光に来ていた。
今は春というものらしく、温かく、柔らかい風があちこちを流れている。
私の国とは違う温かさが、まるで私のことを歓迎してくれているかのようだ。
おぉ……これはまた精巧な…。細かければ細かいほどに鉄は脆くなると聞きますが……これまた器用ですなぁ。ほおぉー………本当に見事だ…。
この国の街は、歩けば歩くほどに私の歩みを止める物が飾られていた。
きっとこの街に観光客が多いのは、これが理由なのだろう。
ほほほぉー
これは非常に美味ですなぁ。
これがかの、おにぎりという物か…。
米に程よく塩が混ぜられている…これは……Happyな気持ちになりますの ✾
ほろほろと米が落ちてしまいそうだ…✾
こっちは、焼きおにぎりというのですね?
………こ、これは……!
温かさの中にある甘くも塩の効いた塩味…!先ほどのおにぎりにはなかったパリパリの焦げ……これは食べるのが止まらない…!
歩いていればお腹が空くもの。
私は良い匂いに誘われ、ここでおにぎりを二種、口にした。
今回は一泊二日の旅を予定していた。
だから明日はもっと良いものを食べよう。
そう思いホテルに戻ろうと歩みを変えた時。
とある店の棚に、視線が吸い込まれていた。
……………Beautiful……
これは……金細工ですかな?
私は店員に視線を向けた。
ええ。一つ一つが手作りになっております。
そちらが気になりますか?
店員は穏やかな口調で答える。
あ、あぁ。
あまりにも美しくてね。
そちらはお客様の好みに合わせて物が変わるものとなっております。
よくあるのは、家族との思い出や、ご友人との懐かしき日々を記録することですね。
………家族との思い出……。
ではこちらを一つ…。
かしこまりました。
奥さまへのプレゼントですか?
……ええ…。
何を入れましょうか。
妻の名前と…妻との想い出の曲を……お願いします。
かしこまりました。
完成には一ヶ月程かかります。
そして、本当に一ヶ月が経った頃。
私は既に帰国し、今朝、私の手元にはアレが届いていた。
私はそれを手に取り、ハンドルを回した。
〜♪
懐かしい音色。私と妻との想い出の曲…。
海が綺麗に光るあの夕陽の前で君の前にひざまずいた。
……………どれだけ時が経とうと変わらないな…。
はは…っと、乾いた笑いを起こす。
…………海はまだ綺麗だ…。
私は妻の隣に、その妻との思い出を飾った。
写真の中の彼女は……いつまでも変わらない…。
眩しい笑顔でそこにいる。
・特別な存在
3/24/2026, 8:48:21 AM