日々家

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見つめられると

「大人のわたしは幸せ?」

夢の中で、幼い頃の私がそう問いかけてきた。
自分とは思えないほど綺麗な目を向けられ、たまらず目線をそらしてしまった。それがあまりにも希望に満ち溢れすぎていて、今の私には耐えられなかったのだ。
お得意の作り笑顔で「幸せだよ」っと嘘をつけたら、幼い自分くらいは救ってあげられたかもしれないのに。

視界がぼやけていく。幼い頃の私はよく見えない。
――怒っているだろうか。泣いているだろうか。ごめんね。せめて抱きしめるくらいできたら良かったのに。
そうは思っても体は動かないし、意識はどんどん現実に戻されていく。

目を覚まし、轟々と雨が降り、風が吹き荒れるような感覚から逃げるように、私は私を抱きしめる。
肌にはじわりと汗が滲んでいた。

……夢の中でくらい、責められず、優しさに包まれながら救いあげてほしい。明日も明後日も、私は無様に生きるのだから。


日々家

3/28/2024, 12:16:43 PM