薔薇を貴方に。

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─物語の始まり─

物語の始まりと言ったら、その物語の主人公がなにかトラブルなどをおこさないと始まらない。
例えば、道の角でイケメンとぶつかって恋が始まったり、誰も抜けないという伝説の剣を抜いたりして物語が始まったりする。

でも私はそんな主人公にはなれない。
そんなトラブルを起こして主人公になれたらなー、と日々思っている。

私は主人公というよりその人の物語の引き立て役。
主人公を引き立てる役。
「私も主人公になりたいなー」と小さく独り言で呟いたら、前の席に座っていたギャルの子が言った。
「主人公?」私はバカにされるな、と思いながら頷いた。
彼女はギャルだが強くてキラキラしてて物語の中心で。The物語の主人公って感じの人だ。彼女は多分生まれ変わっても主人公だろうな、と私は思っている。

彼女はスマホを見ながら
「もう生まれた時から主人公でしょ。」という意見に対し「私は主人公じゃなくて引き立て役だと思う。というか主人公って1人じゃん」と言い返した。でも彼女は

「引き立て役だとしても主人公って引き立て役がいないと成立しないじゃん。まぁ例えば、アンパンマンみたいな?ヒーローって悪役いないとただの一般人なんよね。だから引き立て役は裏の主人公!!って私は思ってるよ。てか主人公1人って誰が決めた?ドラえもんとか主人公っぽいやつ2人いんじゃん。てかドラえもんの映画見るとみんな主人公っぽくね?」

「あ、じゃあ主人公なるために私と海に遊びに行かない?」
笑いながら言われた。

私は頷く。彼女は放課後、私の手を引っ張って走って教室を出て海に向かった。
そこで彼女とずっと友達。という子供じみた約束を交わした。
遅めの物語の始まりだったけど、彼女と一緒にこれからも物語の主人公兼彼女を引き立てる裏の主人公として生きていきたいと思った。


4/19/2025, 7:31:01 AM