未だ嫁修行

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【ただ、必死に走る私。何かから逃げるように。】

夢をみた。

私は必死に走っていた。
何かから逃げるように。
それが何か、はわからない、覚えていない。

でも私にはわかる。
私はこの家から、あの姑から逃げたいのだ。
逃げたいと思いながら逃げられずにいた。
逃げられなかったのか、逃げられないと思い込んでいたのか…
本当はどうだったのか?今ではわからない。

走っても走ってもゴールはない。
走っても走っても行き先は決まらない。
走っても走ってもそこに何があるのかは誰も知らない。
ただ単に、ここにいたくなかった、一緒にいたくなかった。
離れたかった。
姑からも、この家からも、この現実からも…

檻があるわけでもないのに、足に鉄の重りがあるわけでもないのに「あんたはここにいるしかないんだ!」と刷り込まれて、私の体は動けずにいた、動かずにいた。
それは悲しい精神の拘束。

だから私は夢の中で逃げるように走ったのだ。
夢の中でなら逃げられたのだ。
できることならずっと夢の中にいたい。
眠りからさめずに夢をみていたい。

#17

5/31/2023, 8:18:10 AM