花純

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クリスマス当日、

街はイルミネーションで輝いていた。

木の近くにぽつんと置いてあったベンチに

座り、コートのポケットからスマホを取りだした。


「ねえ見て。あのイルミネーション綺麗だよ!」


「そうだね。綺麗。君の方が綺麗だけどね。」


「ありがとうっ笑」


幸せそうなカップルが何組も。


この季節がやってきたのかあと

夜空を見上げると…

この日はたまたま満月だった。

「綺麗だなあ。」


そうつぶやくと近くにいたカップルが

「あそこに座ってる女の人、上、見てるよ?
なんかあったのかな」

女が上を見上げると同時に男も見上げた。

「あっ。今日満月なんだね」

男が言った。

「だから見てたんだ。満月にイルミネーション…
重ねてみると綺麗だろうね。」

カップルは笑いながら
ショッピングモールの方へ歩いていった。



ペットの猫と親を待たせているため、

はやく帰ろう。とベンチを立った。


帰る途中、あまりにもイルミネーションが

綺麗だったため、スマホでガシャ、ガシャと

写真を撮った。


そして家に帰り、親に

「これ!イルミネーション撮ったんだ!」

とスマホを見せると

「綺麗だね!…あれ?後ろの空………
満月だったの?」

親は言った。

私はうなずいた。

「そういえば
クリスマスケーキ食べたい!」

「そうね。お父さん、ケーキ食べましょう?」



3人は笑顔でクリスマスの日を終えた。


「イルミネーション」












12/14/2023, 12:17:34 PM