小音葉

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瞬く星にも似た美しい感情を、その瞳から、その唇から
あなたには濁流のように映っただろう
けれど確かに、満天に戴く何よりも尊い煌めきだった
少なくとも私にとっては、夢のような
朝焼けと共に枯れる花、けして叶わない幻想の結実

生まれながらに呪われた想い
解かねばならない縛り
どうしてこの心はあなたを選んだのだろう
自由にしなくてはならないのに
飛び去る翼を笑って見送りたいのに
隠した縄でその足首を括る
そんな機会を待ち侘びている
きっと、紛うことなき決別の瞬間
あなたの心に蟠り続ける錘の恋
私を腐敗させる崩壊の糸
生涯許されないだろう、故に記憶に居座る毒の愛かな

音もなく弛む激情を戒める
締めて縊って、二度と蘇らないように
穿たれた胸に空洞が残っても構わない
代わりにあなたが幸せになれるのなら
薄れた過去のどこにも、こんな愚か者を残さないで
私が不自由であるうちにどこへでも消えてしまって
錆びた釘を手に、先端がこの胸の他へ向かう前に
最後にはきっと敗れてしまうから

けれど、けれどね
一度だけ、あなたの星になりたかった

(secret love)

9/3/2025, 10:25:01 AM