「夢と現実」
とうとう、貴方は夢にさえ、出てきてくれませんでした。私の元から、離れていきました。
もはや、何処からが夢でしょう。何処からが、現でしょう。貴方がいなければ、どちらも、然程変わらないのです。
貴方の抱擁の代わりに、重苦しく、暖かい、綿と布の間に身を捩らせて、丸めて、呻いて、愛する以上の苦痛を、甘んじて受けましょう。
この苦しみだけが、夢と現を見極める、ただひとつの方法なのです。今はもう、それだけが。
それとも、貴方さえも、微睡の夢だったのでしょうか。
それは、なんとも良いものでしょう。
それは、なんて夢物語なのでしょう。
12/4/2023, 1:33:33 PM