例えばここに横たわり
その低い部屋の天井の木目を
眺めながらであったとしても
この地球の深い深い海の底の
そのまた底に降りた時
この地球の最初のため息のような
海底火山のコポコポという
産声の詩を深海鮫と聞いたなら
あるいは両手を広げて空を飛び
火星を越えて木星に降り立ち
その靄の中で独り葡萄酒で乾杯する
そこから小さな地球を探す夢
そんな光景を見たならば
自分の聞いた音楽を
自分の知った光景を
自分の感じた温度を 風を
誰かに伝える手段を持てたなら
あなたの心を揺さぶる事ができたなら
この低い天井ですら
無限の高さとなるだろう
この小さな自分ですら
宇宙の広さを唄うだろう
この狭い部屋に居て
「狭い部屋」
6/4/2023, 11:36:02 AM