もう一つの物語
私のいる世界はおかしいらしい。
急にその辺のものに丸印が現れたり、
逆に何も無い空間に丸印が現れたりするのだ。
縮尺がおかしい時も字の一部がない時もあった。
何人かで食事をしても、
1人だけ飲み物の色が違うこともあった。
丸印は大抵「おかしい」ところに現れる。
明らかに変な位置にある空間などだ。
私はある日「まちがいさがし」という言葉を聞いた。
2つの似た絵があり、片方は正しくて片方はおかしいところ、つまり間違いがあるらしい。
「おかしいところ」を見つけて印をつけることが多いんだと。
あれ。もしかして私のいる世界って...?
もし正しい世界に生きていたら。
それはどんな物語だったのだろう。
10/29/2024, 1:55:58 PM