りくのいるか

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花束


過ぎ去りし乙女心

苺色のうわ言にホイップクリームを添えて

(インスタ映えする乙女チックでステキな喫茶店に1人で行ったおばさんな私による抒情詩)


いつか忘れた大昔

お花畑のお茶会に
乙女の心を忘れて来たよ

取りに戻れば席は無し

乙女の学校不登校
欠席裁判 判決は
姫から黒子に成り下がり

集いし乙女の輝きに
怯んで真っ直ぐ見れません

悲しい老いぼれ婆さんは
隅っこトボトボ店の奥

暗いお店の端っこで
昔の夢に追いすがる

霞んだ瞳をかっぴらき
過ぎし乙女のメニューをば
しかと焼き付け 熱っぽく
汗水たらして
醜姿を刻む

薄薔薇色の茶をすすり
桃色菓子にウットリと

パシャパシャ写真を撮りまくり
冥土の土産に余念なし

自撮りで己が成れ果てを
知りて慄き 嘆けども

涙は真珠にならないよ

老いは固くて歯が立たぬ
ダイヤモンドは砕けない

墓には持って行けねども
バラの香りの茶の雫
骨に蓄え大満足

レースとフリルに包まれて
ミイラになっても可愛くいたい

髑髏に薄紅化粧して
骨になっても愛して欲しい

来ない王子を偲びつつ

魔女になったが
魔法はできず

人目に触れぬ森の奥

苺の墓に入りたい

孤独な乙女の成れの果て
不気味な魔女を思い出したら

リボンのお供え待ってます

2/9/2024, 10:17:03 AM