夏子

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ちょっと不思議な話だ…
数年前に叔母が亡くなった…

叔母は、義理人情に熱い人だった

しかしコロナ禍からこっち、最近では
家族葬が主流で別れを過す形は
急激に様変わりした…

しかし、叔母がこの世を去ったのは
それよりもずっと前だった

叔母が体調を崩し入院していたのは
知っていたが、そこまで悪いとの
連絡はなかった…

ある夜、私は自室に居てくつろいでいた
「部屋の片隅」で癒しをくれる
真っ赤なハイビスカスの造花がある

それがいきなり揺れ始めた…

それもすごい勢いでユッサユッサと
揺れている…
何度か目を擦り見返した

「マジか?何で揺れてる?」

地震ではない…ハイビスカスだけが
異空間のように揺れ続けた…

その直後、私の体に何かが被さった
ような、そんな感覚をあじわった

一瞬、気が遠くなりそうだったが
すぐ正気にかえった

訳が分からないまま床につき朝になった

そしてわかった…

叔母が亡くなっていた…
昨夜はお通夜だったらしい

今では主流の家族葬だった…

義理人情に熱い叔母は
きっと皆にお別れをして欲しくて
私に知らせて来たのだとわかった

「お疲れ様…ゆっくりしてね」

時代が変わったとは言え…
最低限、これくらいの情があっても
良いんじゃないかと心底感じている

12/7/2024, 11:29:52 AM