「一輪の花」
教卓の上に、一輪挿しがある。
いつも、名前も知らないけど、何だか小さな花が一輪、挿してある。
小振りの小さい、可愛い花。
大輪ではなく、派手でもなく、ただ道端にあるかのような花で。
目立たずに、ひっそりと、でも精一杯綺麗に咲いている。
皆は余り気にしてないし、誰が替えてるとかも話題になった事もないけど。
僕は知ってる。
君が毎朝、早めに学校に来て花の世話をしている事を。
決して毎日は花を替えていない。
花が咲いている間は出来るだけギリギリまでその花を愛でて、どうしても枯れたら次の日に替わりの花を持ってきている。
ホントにちゃんと花を見てるんだな、って思う。
君はいつも目立たなくても、皆の為や誰かの為になる事をひっそりとしてる。
決して恩に着せず、何ならしてもらった本人も気づかない事もある位。
でも、君は善意を振りまき続けてる。
それがもし無理をしているなら、痛々しいと思える日もあるかもしれない。
でも、君はいつも本当に当り前の様に、時には楽しそうにしてるから、見てる僕も幸せになる。
花は、人を優しい気持ちにさせたり、ちょっとほっこりさせたり、癒したりする。
君も、花の様で。
僕は、そんな君が、大好きだ。
2/24/2025, 10:24:17 AM