_未来_
余命三ヶ月と宣告された。自分でもまだその事が理解できなかった。俺にはまだやらなきゃいけない事がある。まだ彼女と結婚してまもない。彼女を本当に幸せにしてあげられない。
いやだ、まだ死ねない…彼女を置いていけない…。
家族にはこの事を伝えたが、彼女にはどうしても言えなかった。言わなきゃいけないのに、彼女とは、普通の暮らしをしていきたい。そう思ってしまった。
勿論家族には反対された。帰ってきなさい、と。
それでも俺は残り少ない人生のうちで、家族に感謝を告げ、彼女を選んだ。
「最近、ボーっとしてるね。なにかあったの?」
「あ、いや…何でもないですよ。」
彼女に心配されると、余計心が重くなる。こんなに優しい彼女と、もういられなくなると思うと、自然と涙が出てきた。
「えっ…⁈ちょっ…だ、大丈夫なの、?なにか嫌なことでもあったの?」
俺の顔を見ては焦りまくる彼女。なにやってんだ、俺は。
余計心配かけてどうするんだ…。
「…ふふ、すみません。貴方がどうしても優しく、つい感情が表に出てしまいました…。」
「そ、そんなことは…疲れてるのかな…。今日はもう寝よっか。」
彼女がそういうと、俺と一緒に寝室に行き、2人で一緒に寝る準備をした。
あぁ、こんな時間も明日にはもうなくなっているのかもしれない、絶対にいやだ…。
…そんなこと考えたってどうしようもない。俺が言わないって決めたんだろ。泣いてたってどうしようもないはずだ。
「…貴方は俺と一緒に過ごした時間。幸せでしたか、?」
「えっ?」
唐突に質問したので、一瞬戸惑ってからすぐに答えてくれた。
「当たり前だよ。貴方と一緒にいられたから、私は優しくなれた、貴方が居るからこそ、今すっごく幸せだよ。」
そういう彼女は飛び切りの笑顔を俺に向けた。
「良かった…。俺も今凄く幸せです。愛してます。」
「ふふ、急にどうしたのよ〜。やっぱり疲れてるのかなぁ、早く寝よっか!」
「そうしましょう、おやすみなさい。」
「うん、おやすみ。
」
この時間が、今一番大切な時間だ。俺は彼女と2人でベットに横になり、深い眠りについた。
6/18/2024, 3:44:03 AM