秋晴れ。
かなり最近に知った単語で、未だに使い所は曖昧だが、それはおそらく今日みたいな日のことを言うのだろう。
そう、直感で思った。
朝八時。
私は学生なため、平日である今日も学校へと向かっていた。
ふと、空を見上げると、白色なんて見当たらないような、何ともくっつかないような澄んだ青色が広がっていて、私を何も考えさせなくした。
なんとなく深呼吸がしたくなって、息をひとつ、深く、深く吸い込んだ。
ひんやりとした空気が肺を出入りした。
直後に鼻がツンとする。
そうか、秋から冬とは、これから乾燥し始めるんだ。
毎回同じようにやってくることなのに、毎回まるで初めてのように驚かされる。
去年の今頃をまるで懐かしむように記憶の引き出しから取り出す。
そんなひと時も、遠目に聞こえてくる学校のチャイムに打ち消された。
あ。
もうすぐ着くのか。
うーん、部屋に加湿器ってまだ置いてたっけ。と呑気に呟いている自分は、今日もおそらく充実するであろう一日を過ごそうとしていた。
10/18/2023, 3:24:26 PM