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「第一話 家」

僕は誰?どこに行けばいいの?
誰も答えてはくれない。ここで死ぬんだと名もない少年は悟った。
しばらくして裏路地を歩いている一人の女性が現れた。濃い茶色の髪は長く高い位置に結っている。身長は高く160cmぐらいだろうか。その時、不満を言うように呟いた。
「はぁ、最近の龍の目撃事件ねぇ、全く私は興味ないけど。でも、マフィアが関わってくるとしたら…」
歩いていた女性が一人の倒れた少年を見つけた。「おい、君!しっかりしろ!」
(とりあえず家に連れて行くか…)

暖かい光が見える。なんだか安心する。ふと少年が目覚めた。辺りは座敷だった。
「ここは…一体…?」
少年は辺りを見回した。するとさっきの女性が歩いてきた。
「目が覚めたかい?」
「はい…あなたは…」
「私は影山 凛。あなたは?」
「ないです…僕に名前なんて…」
「そうかい…なら私が名前をつけて上げる」
「えっ?」
「君は白坨 龍谷だよ」
この時少年の心には嬉しさでいっぱいだった。なんだか家族のように思えてくる。

血が流れる夜。月が赤く染まり獣たちが唸りだす。
「今すぐ探しだせ!白龍を!」
「了解しました」
「この世界を闇で滅ぼすために…!」

12/9/2023, 10:11:54 AM