いす

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そうして日々があなたとともにあるなかで、わたしの輪郭は曖昧なままではいられない。あなたによって研ぎ出された感情が、わたしによって名付けられた感情が、どうにかそこで立っていろとわたしたちに命じる。墓はこうしてかたちと役割を得る。かたちのないものがひとつずつすこしずつ墓の下に入る。埋めていく。墓標をなぞる。繰り返される殺戮にあなたが泣かなければいい。あなたも同じようにわたしに願っている。
安心して。わたしたちは知っている。
かたちのないものがひとつずつすこしずつ今日も生まれていく。いつの日か受ける報いが、どのようなかたちをしているのかをわたしたちはまだ名付けることはできないけれど、どうか安心して。安心して帰ろう。

9/24/2023, 10:45:36 AM