通り雨
今日の部活は外周のランニング。まだまだ残暑が厳しいなかのそれは結構キツくて、不評なメニューランキングTOP3に入る。…だったのだが。
HR最中に雲行きが怪しくなりとうとう雨粒が窓を叩き出した。っよしっ。
普段なら鬱陶しい雨も今日は歓迎してやろう。
雨のため外に出るわけにもいかずとりあえず人の少ない廊下で柔軟。
「ラッキーだったなー」
「お前ら俺の日頃の行いに感謝しろよ」
「なんでお前なんだよ。俺だろ」
「違う違う。俺が雨男なんだって」
口々に勝手なことを言いつつ柔軟に勤しんでいると。ふと廊下に陽が射す。
「…あ?」
一斉に窓辺に張り付き外を見ると。いつの間にか青空がのぞいている。あー、葉っぱの雫がキラキラ、きれいだわー。
「おー、お前ら。雨上がったからランキングなー。よかったな、通り雨で」
無情に響く顧問の声に項垂れる。
「ったく、誰の日頃の行いがいいって?」
「それよりも、自称雨男、外出た瞬間また雨になったらぶっ飛ばすぞ」
「八つ当たり反対ー」
やはり口々に勝手なことを言いながら外へ飛び出す。雨上がりのこもる熱気の中、見上げた空には。
「虹だー!」
「久々に見たわー」
「やっぱ俺ら日頃の行いいいわー」
通り雨後のご褒美にテンション高く駆け出す。
9/27/2024, 11:11:49 AM