多田野一人

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静かな夜明け
冬の夜明けは、痛い程に寒くて、怖い程に静かな空気に包まれている…
夏ならば、早朝から小鳥の囀りや、行き交う足音…そんな色々な音が、何処からとも無く、浅い眠りを蝕んでくる…
其れが、冬になると、張り詰めた空気が、冷たく身体に纏わりついて、瞼が開けられないでいる…夜の帳も、何処迄も侵食して、夜明けを阻んでいる…
なかなか明けない、彼方の空、今暫く、静かに待つばかり…

2/6/2025, 3:12:26 PM