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「精霊さん、精霊さん。明日の太陽をバラ色にしてください」

真夜中に眠そうな目を擦りながらそう唱える横顔があまりにも真剣だったから。
精霊って天気の操作できるんか?とか。
誰にも見られちゃいけないなら俺が見てるのは大丈夫なんか?とか。
まあ、ただのおまじないに突っ込むのも野暮か?とかなんとか思いながら朝を迎えた。

「ほらね、言ったでしょ! キャンディのおまじないって、よく効くんだから」

昨日のあいまいさとは打って変わって見えた青空に、窓を開けたお嬢の笑顔もピカピカに輝いてる。

「おう。すんげーな」

俺は眠そうにあくびをしながら隣に立って、朝っぱらからキラキラというよりギラギラな太陽に目を眇めた。
バラ色ってーよりヒマワリみてーだぞこれ。
……おまじない、効きすぎたんじゃね?

6/14/2024, 11:01:09 PM