【もしも世界が終わるなら】
カラフルな世界で、あなたと私は出会った。
もともと、年に一度しか会えない、そう決められた仲だった。
それでも、願うことをやめられなかった。
そんなある日、あなたと私は会うことができた。誰にも邪魔されない、小さな箱庭の中で。
幸せだった。
もしも世界が終わるなら、あなたと一緒にいま終わりを迎えたいとさえ思った。
終わりは唐突にやってきた。世界は空へすくい上げられ、崩壊していく。
金属の太い棒が貴方を捕らえ、空へ舞い上げた。
「あらー!ゆきちゃん、かわいいキャラ弁ね!」
「うん!今日は七夕の織姫様と彦星様のお弁当なの!」
私は捕らえられ、闇の中へ墜ちて行った。
──その先で彼と再会し、共にゆきちゃんのエネルギーになることを決めたのは、もう少しあとの話。
9/18/2025, 10:17:01 AM