summer

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/遠くの空へ


歩いてきた道をふり返ると
足跡が文字のようにもつれて
これまでの道がうねうねと続く
    ひとつの文章として見える

ここまで来たんだ、と思う
成し遂げたこともない
友だちも失ってきたけれど
遠くへ行きたいという願いだけは
皮肉のように叶った

ふり返る彼方がとおく
かつて遠くに見た空の下にいま居る
それだけで ひとつ
ひとつだけ、
認めきれない自分の通信簿に
『済』の判を押す

これよりも遠くへ
行けるか まだ
まだ歩く
生きているなら行かねばならないし
もうすこし
良い一文(あしあと)が綴れるかもしれない

4/12/2023, 10:28:47 PM