お題 楽園
海賊と人魚の伝説
昔々、皆が想像するより何千年も前のお話です。
ある所に、青い宝石を首につけた海賊と、
その青い海賊について行く桃色のヒレを持つ人魚が居りました。
その海賊と人魚は色んな困難を乗り越え、恋仲になったと言います。
誰にも祝福されず、挙げ句の果てには親に縁を切られてしまう、本当に色んなことがあったと言われています。
でも、海賊と人魚はどんな困難にも立ち向かい、後々には優しい人にも恵まれ、やがて結婚した。という伝説があります。
その伝説になった海賊が死ぬ前、手紙を残したというのです。
「僕は愛する人と結ばれて幸せだ。たとえ種族が違くとも、僕があの人に想う気持ちは変わらない。」
「もしこの手紙を読んでいる人がいるならば、貴方も愛する人と幸せになっていて欲しい。僕達のように、楽園のような毎日を過ごしていて欲しい。」
《って伝説があるらしいんだけど信じる?》
『…それさぁ、結婚式の直前にしないといけない話だった?』
《だってさぁ…なんか僕達みたいじゃない?この伝説》
『いや俺達種族一緒じゃん。もしかしてお前人間じゃないの?』
《違う違う!種族じゃなくてさ…性別。僕達どっちも男じゃん?だから、この海賊さんみたいに楽園のような生活、できるかなぁって、》
『…できるんじゃない?少なくとも俺はお前といれて幸せだけど。』
《……!!!》
『いや笑顔で近づいて来んな!!怖い!!』
とあるウェディングチャペルに
青のネックレスを身にまとった少年と、
桃色のドレスを着た少年の笑い声が響き渡ったらしい。
4/30/2024, 3:40:03 PM