行き先をなくした僕の日常は影を映すこともなく闇と時を過ごし、なにも知らない帰宅を待つその顔がいとおしい。僕はどこへいったなどと答えのないことを考える素振りだけを知らない誰かたちにみせては日常を繰り返す。
今日の僕は昨日の僕とは違うと言ってくれた誰かの顔が思い出せず思い出そうともせず、ただあたたかいマフラーみたいなあなたの言葉をどこかの奥から引き出す。
あなたの声がききたいです。
いつ行けばあえますか。時間はポケットの中にしまってあります。誰と行けばいいですか。僕はひとりで歩けます。どこに向かえばいいですか。外は雪が降っています。僕のころんだ場所は憶えていますか。あなたの走った道は憶えています。明日むかえに行ってもいいですか。ぎしこぎしこと音の鳴る方へ。
2/2/2024, 7:56:20 AM