「早いもんだね」
「明日で九月ですよぉ」
「涼しくならないね」
「セミの音は聞こえなくなりましたけどねぇ」
強い熱を持った太陽の光にウンザリした俺と恋人はダレた声で言い合う。
じっとりとした湿度の高い風にも嫌気がさすね。
そんなことしていると、ちょうど音楽が鳴り響いた。
そうか、もうそんな時間か。
決まった時間に鳴り響く音楽。
少し前まではギラギラした太陽が痛いくらいの光を刺してきたのに、今はそうじゃない。
ああ、しっかりと日は傾いているんだな。
「日が短くなったねぇ」
そう、俺がつぶやくと隣に座っていた彼女が立ち上がって俺に手を差し出した。
「帰って夕飯作りましょ!」
おわり
四七二、八月三十一日、午後五時
8/31/2025, 1:32:34 PM