夢と現実
夢と現実の境目とは、いったいなんなのか。
答えは簡単。寝ているときに見るのが夢で、目覚めているときに見るのが現実だ。よって、自分が寝ているかどうかが境目だ。
あるいは。理想の自分が夢で、理想ではない今の自分が現実だ、と対比的に使用する場合がある。いずれ自分が理想に近づいていくならば、夢と現実は連続的だ。境目をはっきり決めるのは難しいと思う。
今回は前者について考えてみることにする。
寝ているときに見る夢。目覚めているときに見る現実。
胡蝶の夢、という話がある。
夢の中で私は蝶になっていた。私であるほうが現実である。
蝶は夢の中で私になっていた。蝶であるほうが現実である。
どちらかが絶対的に正しいと、どうして言えるのか。
今この瞬間、ここに存在する私こそがが現実だと、あるいは夢だと、知る術を私は持っているのだろうか?
私は今、文章を書いている私である。
しかし今朝の夢の中では、小学生時代の私であった。
あなたは今、文章を読んでいるあなたである。
しかし今朝の夢の中では。
考えてみても仕方のないことだが、そういう不要な考え事をするのが好きな人間というのは一定数いるものだ。私もその一員である。
少なくとも今文章を書いている私にとっては、今文章を書いているこの世界が現実である。ひどく現実的な夢を見ている可能性は否定できないが、しかし私は私だ。
夢の中の私と、今ここにいる私。
どっちがどっちか分からずとも、その間に境界線は確かにあって、互いに干渉することはない。
夢の向こう、もしくは現実の向こうにいる私に思いを馳せる私は、確かにここにいる。それが私にとって唯一の真実である。
12/5/2024, 7:38:52 AM