冬山210

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『叶わぬ夢』

貴方のところへいきたいだなんて、
そんなこと叶わない夢だと分かっております。

何せ貴方と私では生きている場所が違う。
世界も時代も次元も、何一つとして同じではない。
仮にそのどれかが同じだったとしても、
私は貴方のところへはいけないのでしょう。

私は貴方と同じところへはいけないのです。
それは叶わぬ夢なのです。

貴方の視界に映りたい。
貴方と視線を交わしたい。
貴方にどうか私のことを知って欲しい。
そんなの全て馬鹿げています。
願うだけ無駄な夢なのです。
初めから決して叶うことはない夢なのです。

それでも今日も私は、そのような叶わぬ夢を糧にして、
このありふれた現実を生き抜いているわけです。
それはとても幸福なことで、
それはとても空虚なものです。
それが、私の人生です。

3/17/2025, 11:47:53 AM