執事のみんなに聞いてみた。
「もしも、未来が見えるなら、
どんな未来がみたい?」
だいたいの執事は
「主様とずっと、平和な世界で過ごす未来」
と答えた。
だけど、1人だけ異質な答えを出した執事がいた。
「私は…私の手で主様を壊す未来…ですかね。」
くふふ、と笑って見せた彼はラト。
「ラトの手で私を壊す…?」
なんでラトが壊すの?と聞いてみた。
そしたら、
「私以外に主様を壊されるのが嫌だからです。」
と答えた。
変な答えを言われていると分かっているのに、
少しだけ嬉しくなった。
「そっか。じゃあ私の最後はラトに壊してもらおうかな。」
そう返すとラトは嬉しそうに微笑んだ。
「ふふ…嬉しいです。私が壊してあげますから、それまでは壊れないでくださいね?」
「うん。もちろんだよ。」
これは、私とラトの少し異質な関係。
この関係は少しだけ、壊れている。
壊れた心を持つ2人だから引き逢えたんだ。
「これからも一緒だもんね。ラト。」
「もちろんです。主様。」
そう言って私に近づいたラトは私の首元にキスをし、噛んだ。
その噛み跡が嬉しくて、思わず笑みを零した。
4/19/2024, 11:03:54 AM