かたいなか

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「キトゥンブルー、ヘソ天、やんのかステップ。
子猫の時期にしか見られないと言われてるものは、結構多い、ような気がしないでもない」
美味い美味い言いながらキャットフード食うのは、別に成猫でも子猫でも可能性アリなんだっけ?
某所在住物書きは過去の猫動画を鑑賞しつつ、物語を書いては消して、書いては消して。

書きたい風景、書きたい状況に対して、己の執筆力量が完全に不足しているのだ。

「……猫と関係ねぇけど、そういやこのアプリ、動物のお題がバチクソ少ない」
ぽつり、物書きが呟いて、ため息を吐く。
犬無し、鳥は「鳥かご」、魚は食い物。
「モンシロチョウ」はいつの配信だったろう……?

――――――

現実世界、最近最近の都内某所が舞台の日常連載風を投稿する、このアカウントです。
たまには東京からも、現実からもかけ離れた、こんなおはなしをご用意してみました。

最近最近ではありますが、「ここ」ではないどこかのおはなしです。
異世界と異世界を繋いだり、世界と世界の喧嘩の仲裁をしたり、終わった世界の欠片が他の世界に悪さをしないように監視したりする、舞台装置のような組織がありまして、
その組織は名前を「世界線管理局」といいました。

過去投稿分で、何度か見た名前です。
直近は11月10日投稿分です。
初出は去年の4月12日。スワイプが面倒なので、過去を気にしてはいけません。

で、何が面白いって。
この管理局、ビジネスネーム制を採用しており、局員全員が動物の名前で呼ばれておるのです。
ノルウェージャンフォレストキャットとか。

その日はお題の「子猫」にちなみまして、
猫系の名前を採用している総務部に、新しい子猫の新人ちゃんが、にゃーにゃー。仲間入りしました。
ビジネスネームを、「マンチカン」といいます。
名付け親もとい、名付け局員は総務部人事課長、リビアヤマネコです。にゃーにゃー。

新人子猫、マンチカン。先住猫もとい先輩局員に連れられて、まずは部署内の見学を開始。
縄張りの状況把握は大切なのです。

「野良猫のようにあっちこっちに居て、イエネコのようにふてぶてしくマイペース。縄張りを荒らす者は砂漠猫のごとく容赦しない」
経理、人事、集配。総務部には業種がいっぱい。
あっちこっちに興味がうつる新人子猫のマンチカンに、先輩のロシアンブルーが言いました。
「それが私達。総務部の部内信条よ。

受付窓口や広報をしてる犬系連中とは、外部対応とかの仕事が重なっているから、早いうちに、場所と顔を覚えておくといいわ」
ほら、あそこよ。ロシアンブルーが指さす先には、
各部門から申請された備品の補充に走る集配送班、「KURO-NEKO」の皆様
もとい、なにやらキャーキャーわーわー、わんわん。バチクソに盛り上がっている受付窓口。

「また接待フィーバーしてる」
どうやら、日常風景のようです。
「きっと今日窓口から上がってくる伝票に、ジャーキーとスナックが大量に書かれてるわ。『経費計上しないように』って伝えておかなきゃ」
ふーん、そうなんだ。 新人子猫、マンチカン、局内のことは把握してないので、完全に話半分。

「いいかしら?」
その、話半分の子猫マンチカンに、先住猫ロシアンブルー、人差し指を振って言いました。
「犬系だろうと、鳥系だろうと、どんなやつがウチに来ても、私達の主張を曲げちゃダメよ。
縄張りは一歩も譲らない。それが私達、猫。絶対ブレちゃいけないのが、私達総務なんだから」

へー。そうなんだ。
新人子猫マンチカン、やっぱり先輩の言葉は上の空で、ちょこまか走り回ってる集配送班の動きを、
きょろ、きょろ。視線で追ってしまうのでした。

「子猫」のお題ということで、どこかの管理局と新人子猫ちゃんのおはなしでした。 おしまい。

11/16/2024, 4:01:06 AM