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お別れの日 天気は予報通り晴れていた

十年来の友達が転職で遠くの町へ引っ越す
今日は引っ越し前の二人で会う最後の日

予約したお店で華やかな料理を前に彼女とおしゃべり
昔からの憧れの仕事でやっと夢を叶えられたと笑顔で言う

それが夢だったことなんて私は当たり前に知っている
だから私も笑顔で送り出したい なのに上手く笑えない

今日をお祝いの日にしようと決めたのは私だったのに
喜びだけではない感情が混ざり合って渦巻いている

食事を終えて外へ出ると予報外れの天気雨が降り出した
二人とも傘を持っていなかったので駅へと駆け足で行った

結局、別れの言葉を上手く言えないまま友達を見送った
今日見たあの笑顔を引きずって一人だけの帰り道を歩く

晴れなのにまだ降り注ぐ天気雨は私を表している

私は肩をすくめて抱えていたものを頬へ伝わせた

今ならその雨の柔らかさに許された気がして

11/7/2023, 9:29:19 AM