とある恋人たちの日常。

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「助けにきましたよー」
 
 怪我をしていた私の目の前に来たのは、屈託のない笑顔の優しそうなお兄さんだった。
 
 お医者さんだと言う彼は手際よく応急処置をしてくれて、その笑顔が素敵だな……ってちょっと思ったの。
 
 そんな出会いから、偶然を重ねること数回。
 おっちょこちょいな私は何度も彼の手をわずらわせてしまって、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
 
 仕事外でも会って話すことが増えてきて、大切な縁だなって思っていた。
 
 そんな彼。
 今では隣で一緒に過ごす人です。
 
 色んな縁が繋いでくれて、紡いでくれて未来(いま)がある。
 
 無防備な笑顔が私を捕えた。
 
「どしたの?」
「うーんと、しあわせだなって思いました」
 
 彼の目を見てそう答えると、彼は少し視線を逸らしたあと、私を優しく抱きしめてくれた。
 
 
 
おわり
 
 
 
五五九、時を紡ぐ糸
 
 
 

11/26/2025, 2:46:30 PM