誰も来ないような薄暗い森の中、一人突っ立っていた。
風が吹いて、木を揺らしていく。
木々の間から木漏れ日が照らし、一瞬視界を白く眩ませる。何も見えない。
ただ、ざわざわと騒ぐ木々の声が、耳を掠めていく。
感じるのはその音と、木漏れ日の暖かさだけだった。
それが体を包み込んでくるから、まるで慰めのようにも感じて、悔しくて。
木漏れ日の下で、しばらく泣いた。
気付けば、いつしか光は去ってしまっていたが、暖かさが跡をつけたように、心を照らしていた。
『木漏れ日の跡』
11/16/2025, 6:46:49 AM