アスファルトの固い道が、その時だけは柔らかな絨毯になる。
黄色のふわふわした感触。
時々、くしゃ、カサ、と軽い音がして粉々になる。
十分ほど歩くと、今度は赤茶色。
やっぱり踏むとくしゃ、カサ、パキ、という軽い音と足元から伝わる柔らかな感触。
いつもは閑散とした通りも、この時期だけは人の数が多い気がする。
私と同じ気持ちでこの道を歩く人が結構いるのだ。
小さな子供が楽しげに黄色の葉の中を駆け抜ける。
笑い声。
カサ、くしゃ、パキ。
柔らかな絨毯はすぐに凍てつく霜に覆われるだろう。
儚く過ぎる季節を私はどれだけ覚えていられるだろうか。
END
「落ち葉の道」
11/25/2025, 3:54:46 PM